「フェズ」1995年1月4日、モロッコ小紀行21頁。

中庭は世界中にありますが、中でもイスラムの乾燥地帯や地中海地方には多く、文明の発祥地メソポタミヤには7千年前頃にはすでにレンガ造、二階建ての四角い家があったと言われています。
フェズはそんな古代文明社会を今も地で行く街です。いつ襲ってくるかも判らない外敵に備えるため建物の外壁に窓は殆どない、道は狭くTの字、行き止まり、日は差さない(3,4階建て)日本人が迷い込むと一週間出てこられない…そうです。
巾1mほどの坂道をロバが行くと通行人は脇の"露店"の壁にへばりつき、案内の現地ガイドが泥セメントを塗りたくった壁に空いた逆U字型の穴に消え、私も続きました。
やっと一人が通過できるほどの狭い穴、頭をすぼめる、曲りくねった暗い通路、と、急に明るい陽射しで目が眩む、ほぼ正方形6m角ほどの中庭に出ました。
中庭側は機織り場で壁はなくオープン、屋根下空間は中庭と一体となり外部とは隔絶された世界が広がっていました。地中海世界の中庭はそんな風なつくりが多いのです。

フェズ旧市街を空から見る グーグルアースより
四角な黒い穴が中庭 黒い線は道







